昨年7月1日、熊本県内各地で空襲があり、多数の非戦闘員が死傷したことこ忘れ去られようとしている時、「熊本の空襲を語り継ぐ集い」を開催しました。
集いには、多数の方が参加され、貴重な体験が語られました。そこで、戦後65年を期して、熊本の空襲体験を次世代に語り継ごうと、熊本県退職教職員連絡協議会のご協力を得て体験記編集を企画しましたところ、予想を超える寄稿があり、本書を刊行することができました。
空襲で一家8人を失われた方、母を失った方、銃爆撃で小学生6人が殺された等の悲惨な事実が語られています。空襲は軍事施設破壊だけが目的ではなく、相手国民の戦意喪失を狙って行う戦略爆撃、いわゆる無差別爆撃です。戦争は、多数の一般市民を犠牲にします。戦争のない世界を願って語り継ぐために本書の活用をお願いいたします。
熊本の空襲体験をまとめたものとしては、1973年に熊本日日新聞社が刊行した『体験記・熊本大空襲』が最初でした。その後、1977年に「熊本空襲と戦争下の暮らしを記録する会」が発足、その都市の7月から翌年12月まで『記録・熊本空襲』が12回発行され、詳細な県下各地の空襲の状況や、体験談が発表されました。それ以後、30数年経ての本書の刊行です。
2010年7月1日発行
B5判 150頁 頒価:1,200円 編集・発刊 平和憲法を活かす熊本県民の会 〒861-8101 熊本市近見2丁目1-17 TEL:096-352-7853 購入申込先:事務局長 上村文男 TEL:096-344-8293 |
表紙絵 浜田知明作「不安」を藤本輝美氏デザイン |
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